MYSTERIOUS WALK 神戸元町
モトコーミュージアムの企画でミステリアスウォークを決行。
混沌としたカルチャーの巣窟だった神戸元町高架下商店街は、類い希な存在として100年近く存在してきた。立ち退き解体が進むモトコーを今後この姿で見る事はもう無い。時代は進み、新しい未来へと向かう。しかし、リアリティーのないコスパ重視のビジネスが横行する現代に、怪しさ、優しさ、面白さ、懐の深さを兼ね備えた高架下の存在は重要だ。そんな未来を提唱するモトコーミュージアムの存在をミステリアスウォークは表現して歩いた。
Directed by CALMA
Fashion by HiHiHi
Music by Ankoku Nira
Movie by Wakimura Eizo
Photo by Kazuyuki Okada
Produced by Hideto Irikawa
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かつて世界は、分からないことだらけなはずだった。
検索という「呪文」を唱えると、驚くほどすぐに、行かなくても会わなくても手に入るエフェクトのかかった情報。大体想像が付く「そんな気にさせる」世界がきて20年が経つ。
オッケー? グーグル?
生きているというのは瞬間の連続であり、儚くも時は即座に過去を生産していく。どれほどとどめておきたい瞬間も残すことはまかりとおらず、はたから見れば何でもない「今」という瞬間は、誰の依怙贔屓も許さず平等にすぎ去っていく。桜島を望む国道の脇で、荷物だらけのバイクを路肩に旨そうにタバコを飲む青年を見てそう感じた。
通行人にとっての彼はただの人であるが、彼の今という瞬間は一生の思い出。そう一生は一瞬の連続。
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一体誰なのか?何なのか?何故なのか? 気になる事を大量に投げかけながら歩く、こちらから答えを与えることはない。何でもググればわかる現代へのアンチテーゼ。管理された平穏な社会へノイズの使者。瞬間の重要性とノイズを受け入れる。そういう思いがミステリアスウオークにはある。
瞬間に紛れるノイズの行進。
同時に、何万回もこすられたランウェイのそれではなく、これは「ひひひ」の大掛かりなファッションショーでもある。
Ash#12「ミステリアスウォーク」鹿児島天文館 2019.11/23
写真:岡田和幸
音楽:暗黒ニラ
衣装:HiHiHi