!「CAKE」

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70 months ago

オフロードバイクを初めて直ぐに、山の中を電動バイクで走りたかった。オフロードバイクが好きでバイクに乗り始めたわけではなく、自然を観賞する道具として、馬のように力強く、ゴートのように自由自在に難所を行き来出来る乗り物だと感じたからだった。

モーターボートも同じく子供の頃から嫌いだった。臭いがくさく、一定の風が体に負担になり、喧しく人と話することも出来ない。それに引き替えカヌーは違った。行けない所に自由に行く、その場所から世界をながめる。そんなオフロードな乗り物が好きなのだ。

トライアルを初めて(1年ほどでやめる)すぐにバイクを奈良の山の中へ運び人一人しか歩けない古道とよべる未舗装の山道を走り、いくつも山を越えたことがある。つづら折りになる細い獣道のような道は、軽快なトライアルバイクでしか行けないような場所で、気持ちは高揚し、尾根から眺める山の景色は獣しか見ることの出来ないものものだった。

ただしこの時2ストロークBETA EVO250ccでの行程はエンジン音、排気ガスともつきあうことになり、身に浸みて電動時代の到来を待ち望んだ。

自然を観賞するために爆音や排気ガスははっきり言って邪魔だ。

あれから4年、ついに理想の時代が目の前まできた。そんな車体、CAKEをみつけて色めきだった。この車輌はモトクロッサーでもなくトライアル仕様でもな不思議な魅力を感じる姿をしていた。「早く手に入れて実物を確認したい!。」そんなわけで親しき仲間、DRIVETHRUの神保氏とともに勇み足、ストックフォルムのCAKE社に訪問し試乗してきた。CAKE社の詳しい内容はDRIVETHRUを読んでいただいた方がいいだろう。様々な賞を取るだけあってかなり車輌としてのデザインは魅力的だったことは流石北欧デザインといいたい。

その他にも3泊4日の短いスウェーデン、ストックフォルムで多くの経験をえた。日本にはまるで普及していないレンタル電動キックボードのGPS/APPの確信を得たレンタルスタイルも素晴らしいし、歴史のある暗いバロックデザインと店内の明るい北欧デザイン、新世代をおもわせる飲食ビジネススタイル、地下駐車場を利用したバイクコミュニティー。建物以外10年前とは格段に進化したサービスがつまっていた。一つ一つ触れたいところだがきりがないので写真で想像してもらいたい。

 


 

【CAKE ライディングインプレッション】

さまざまなハードルをなくした電気式バイクの醍醐味に触れる。エンジンをかけるという行程がないのでいきなり乗り出せる気軽さはすばらしい。まるで家電製品に電源を入れるように乗り出すことが出来る。

総論をいうと、エンジンバイクの持つバイクの醍醐味は薄く、今までのオフロードバイクとは別物。

そのかわり非常に簡単に乗れる。音や振動による恐怖感もなく、女性や子供のオフロード入門には最適である。山林走破体験ツールとしてもっとも力を発揮するといってよいだろう。

なによりエンジン音がしないことに大注目したい。話しをしながら低速で併走したり、自然の音に耳を傾けることも出来ることが最大の魅力。

【個別コメント】

■エンジン式と比較すると物足りないがその分乗りやすい(乗り出し行程も、乗り方も簡単)。

コツを掴めばアクロバティックに乗れそうだし、マウンテンバイク寄りのオフロードバイク。今のタイヤでは自然の地面にスパイクしないのがつらい。滑りながら乗るしかないので完全な未舗装には向いていない。

■オフロードコースでの走破性は充分ありそうだ。サスペンションの動きは軽くサスを使ったライディングは可能。

※ガレ場は未体験。

■エンジンのような太く突き上げるトルクを感じない。スマッシュ的エネルギーが車両を瞬時に前に突き出して来る体感。

アクセルワークがラジコンそのもの、クラッチ、ギアがないのでアクセル開度のみで微調整することが簡単であるが味気ない。ギアがないことも同様もの足りなさを感じる。アクセル開度以外の「徐々に」がない「出来ない」

■ブレーキは自転車式で左右のハンドルについているのはバイク初心者にはありがたいはずだ。

■スイッチ式切り替え式エンジンブレーキは機能していた。しかしギアがないのでギア比によるエンブレをライディングで使えない=楽しめない。ダイアル式のスイッチで2段階チョイスする(かなり大味)。エンジンブレーキを駆使した乗り方は出来ないということだ。

タンクがないことでダイナミックなデザインが実現している。ガソリンタンク部分までシートフラットに伸びる。美しさのためにシートが角張っているのは正直足でフォールドしづらいのはマイナスポイント。